北風が吹いて、窓の外でさらさらという音がするので、雨が降っているのかと思った。
窓を開けてみると、黄色い枯れ葉たちが身をよじってハラハラと落ちていく。
風に乗り、路面をくるくる追いかけっこしていく木葉たち。
そのうち桜の葉も木からすべて枯れ落ちてしまうだろう。
先週やっと東京の病院に行って来た。
先生のいない曜日だったので、私は二ヶ月連続で○川先生に処方箋を出してもらった。
とても優しい先生で、声がとても小さい。
二回ほど聞き返した。
優しい人ってなんで声が小さいんだろう。
なんで声が小さいと優しく見えるんだろう。
普段めったに外に出ない私が東京に出る時には、ひどく緊張する。
東京は人で溢れかえって、なおかつ皆のスピードが速い。
そのことに疲弊する。
地元の駅に戻って、デパートに行く。
用事ついでに、化粧品売り場にも行って、肌のチェックをしてもらう。
以前から持っている私の肌のデータが書いてあるカードを美容部員さんに見せる。
あ、これ、わたくしですね。
美容部員さんが言う。
カードに6月にチェックしてくれた美容部員さんの名前が書き込まれていた。
私。6月にチェックしてもらっていたんだ。
ここに来たんだ。
ここでこの美容部員さんに肌チェックしてもらったんだ。
全く覚えていなかった。
6月になんでこのデパートに来たんだろう。
美容部員さんが、
思い出してきました。私、こう言ったんでしたね。
え、私何も思い出せない。
肌にスコープを当てて、肌細胞を拡大して見せてくれる肌診断。
コロナの影響で、使えない機器があるんですよ。アルコール消毒出来ない機器が。
だからきちんとした診断は出来ないのですが。
それは残念。
いつもは、キメ、毛穴、皮脂など、6項目のチェックが出来るが、今回一つの機器しか使えず、三項目の結果のみ。
6項目のチェックで六角形の形を作るが、三点だけチェックした六角形はいびつな形に歪む。
スキンケア好きで、肌診断の結果を励みにしているのに。
肌チェックにまでコロナの影響が。
このところのコロナ禍でマスク外出となり、普段すっぴんの私もアイメイクに興味が出てきたので、久しぶりにマスカラを買った。
今度はマスクをして、ぱっちり目で先生に会いに行こう。