だいぶ冷え込むようになった。
本格的な寒さはまだ来ていないが、いつの間にか服を着込むようになっている。
熱烈な暑さが去り、涼しさにかまけているうちに、上着を着るようになっていた。
寒くなったのだ。
冬に着る衣類を手にする度、なんて重いの。といつも辟易するのだが、寒さが進むうちにためらいなく、それらに袖を通すようになってくる。
春夏にあれほど重く感じた服を身につけると、体が重たい。
肩が凝るどころか、全身が凝る気がする。
春先に服を一枚ずつ脱ぎ、だんだんと身も心も軽やかになっていくのとは真逆に、今一枚ずつ身につけていく。
体が重たくなる季節。
コーヒーをホットで飲む時期。
ホットコーヒーを淹れる為のお湯が、思いのほか速く冷めてしまって、コーヒーを淹れ損なう。
コーヒーを淹れ損なって、いよいよ寒くなってきたのだと思う。
朝方ベランダに出ると
紫がかった朝焼けが東の空を照らして。
朝焼けの色合いが際立ってはっきりしてくると。
ああ、冬が近いのだと。
そろそろ冬支度を始めないと。
冬が始まってしまう。
キンキンに冷えた夜空に、星々の光が冴え冴え煌めく冬はもうすぐ。