一人の時間を過ごすのが好きだ。
何をしてもいい時間。
何もしなくてもいい。
気負わず、素の自分でいられる時。
一人の時間を持てる幸せを、小さな頃から夢見てきた。
やっと見つけた私の時間。
子供の頃、家庭はどうしようもなくうるさくて、私はそういう喧騒をじっと我慢して、やっと自分の時間を手に入れた。
やかましい彼らはもういない。
でも、不安はまだ残る。
距離的にも心理的にも近すぎた家庭環境で育ったせいか、私は家庭を好まない。
同じ空間に家族というだけで一緒に生活するのは耐え難い。
それはたとえ愛する人とでも。
一人の時間には自由がある。
我が家の近所には桜がなくて、今年は駅前の小さな桜の木を見かけただけ。
桜を見ないと春を捕まえそこなった気がするが、春はいつの間にか私の周りにもう来ている。
空気が生暖かい。
風が気持ちいい。
重たい服はもう脱いだ。
社会と遠い生活をしていても、社会は変わって行く。
長年お世話になっているセンターのケースワーカーさんが異動になった。
さびしい気持ちと新たな生活と。
ウグイスも鳴き始めた。
ワーカーさん、元気でやってるかな。