今週のお題「理想の老後」
以前、テレビで可愛いおばあさんを見た。
ある老人ホームのおばあさんはあまり食べない。
ある日、お弁当箱に目がとまったおばあさんは、
「まぁ、可愛らしいお弁当箱」と言う。
そこで職員が食の細いおばあさんにと、食事をお弁当箱に詰めて出してみることにした。
おばあさんはそのお弁当箱を見て、
「この可愛いお弁当、私に作ってくれたの?」
と嬉しそう。
ゆっくり一つずつ味わうようにして食べ、完食した。
それからおばあさんには、食事をお弁当箱に詰めて出すようになったそうだ。
心が可愛らしいと幸せが寄ってくる。
これもテレビで見たおばあさんの話。
おばあさんは毎日、車椅子で喫茶店にやってくる。
アイスコーヒーが大好きで、必ず注文する。
背を屈めて、ストローでアイスコーヒーを飲む姿が愛らしい。
おばあさんは手作りした巾着袋をいくつも持って来ていて、知り合いにあげている。
実に上手い。
私も一つ欲しい。
この紺色の巾着がいいな。
と思っていたら、
「ねぇ、私、これもらっていい?」
とおばさんに話しかけられ、巾着はあえなく、もらわれて行ってしまった。
おばあさんもその巾着には思い入れがあったらしく、
「あ、それはちょっと待って…」
と言いたげだったが、おばさんは構わずもらってしまった。
おばあさんは毎日、ここへ来てアイスコーヒーを飲むことを楽しみにしている。
私もアイスコーヒーが大好きだ。
「私も毎日アイスコーヒーを飲むおばあさんになりたい」
その時そう思ってから随分経つ。
私も年齢を重ね、今はアラフィフになった。
老後と言われてもまだピンと来ないけど、年を重ねることで、「可愛らしいおばあさん」になれたらいいな。と思う。
姿かたちが可愛い若い女性とは違う、心の可愛らしさを作るには、心の丈夫さが必要だと思う。
年を重ねるごとに苦労も、心が萎むこともあるけれど、それを感じさせない強さ。素直さ。
いろんなものを乗り越えた「可愛らしいおばあさん」
自分が可愛いこと、よりも何かを「可愛い」と感じる純粋な心を持つ人でありたい。
自分にしてくれたことに感謝出来る人。
年をとっても好物がいつも摂れる健康な体。
健康な心を持っていること。
そんなおばあさんになりたい。
可愛らしいおばあさんへの道は一筋縄ではいかない。