私が高校に行けずにいた間、支えてくれたのは、本だった。
自室にこもって皆が寝静まった深夜、本を開いた。
本には困ることがなかった。親しくさせていただいた中学の国語の先生から読み終わった本を大量にもらい受けていたのである。
それらは、いかにも電車内で軽く読めそうなエッセイや短編集だった。
100冊以上はあったと思う。
10代の私はそれらを貪るように読んだ。
一年に100冊以上読んだこともあったので、17の終わりには読む本がなくなって、横浜の本屋に買い出しに行った。
やはり自分が選ぶ本は自分の琴線に響くものが多かった。
プレイガールのエンターテイメントものから、自身のナイーブでセンチメンタルな物語まで、幅を持つカポーティとは何者か、と思った。
この時から今でも、カポーティに関する興味は尽きない。