ユリのハラ腹日記

過敏性腸症候群を抱えて生きにくさはあるけれど、キラキラしたものも見つけてやっていこうよ、自分の人生。鬱でもあります✌

本を贈ること

今週のお題「プレゼントしたい本」

私が15歳の時、6月で16歳になる友人に誕生日プレゼントとして、サリンジャーの「ライ麦畑でつかまえて」を贈ったことがある。

実は私はこの本を読んだことはなかった。ただ、とても有名だったし、題名がとてつもなくお洒落だと思ったので、この本を贈れば間違いない!と考えた。

友人に感想を聞くこともなく、私自身も読むこともなく、私達は17歳になった。

ある時、友人宅に呼ばれておじゃましたら、彼女は今でいう「断捨離」の真っ最中。本棚から大量の本を出して、そのままごみ箱に突っ込んでいた。

私は本をそんな風に扱ったことがなかったので大変驚き、彼女のそのいさぎよすぎる態度に圧倒されていた。なんだか本がかわいそうで、ごみ箱行き寸前の本を二冊もらい受けた。その間、私が考えていたのは「私があげたあの本も捨てられるんじゃないか」ということだった。「ライ麦畑〜」は中段に置かれていた。彼女の手が横の方の本に伸び、ごみ箱に入れられ……それでも私は「私のあげた本は捨てないでね」と言えなかった。

ライ麦畑〜」はスルーされ、彼女は他の本に取りかかった。

彼女にとってあの本は取って置きたい本だったのだ。私は真底からほっとした。彼女が読んだのかどうかはわからない。どう思って置いておくことにしたのだろう。ぶっちゃけて「それ私があげた本だよ。捨てないで」と何故言えなかっただろう。彼女が私があげた本だということをすっかり忘れているのも悲しかった。

結局、私が「ライ麦畑〜」を読んだのはその翌年。自分用に買って来て読んだ。18の私にはよくわからなかった。私は自分が分かっていない本をよくあげたものだ。

今の私なら何の本をあげたいだろう。

「ジョニーは戦場へ行った」若い男性に。

名作だが、あげるとなると説教くさい。

では自分の好きな作家なら?

私はカポーティが好きだが、あなたも好きになって、と言いたげでなんだか押しつけがましい気がする。

プレゼントする相手が何を望んでいるか、それはピンポイントで分かるものではない。(逆に分かったら怖い)

意外にもっとラフな気持ちで「これ、良かったよ」と気軽に勧めるのがいいのかもしれない。