「午後の紅茶」を久し振りに飲んだ。
懐かしい感覚がよみがえってきた。
この感覚は15年前、接客のアルバイトをしていた時のものだ。
慣れない仕事を深夜まで頑張り、帰り道の自販機であったかい午後ティーを買うひととき。
缶越しに熱い液体を感じ、その温もりが嬉しかった。
お疲れ、自分。
プルタブを開けてそっと液体を流し込む。
それは私には、やや甘過ぎたが、疲れた身体に染み渡っていった。
人は意識せずとも、味覚と身体がしっかり覚えているものなのだな。
今の自分には泣けてしまうほど懐かしいその味。
頑張ったあの頃。不慣れだった仕事。一緒に働いた仲間達。見上げた夜空。
ひさびさの「午後の紅茶」はそんなあの頃を一気に思い出させる。
懐かしい気持ちをこれからもそっと抱いていこう。